生産性が高い仕事人に共通する、時間を徹底的に見える化する時間管理術

生産性が高い仕事人に共通する、時間を徹底的に見える化する時間管理術

仕事における生産性とは何か。

生産性を議論する前に、生産性の定義について、考えてみたい。下記定義をまずは参考にしよう。

生産性はより少ない労力と投入物(インプット)でより多くの価値(アウトプット)を産みたいという人間の考えから生まれてきた概念である。リソースとリターンの関係性とも理解される。

生産性=アウトプット/インプット
より少ないインプットからより多いアウトプットが得られるほど、より生産性が高いという関係にあることがわかる。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%A7

生産性の式とは、アウトプットの分子とインプットの分母によって測ることができる。個人の仕事における生産性を上げるためには、より少ないインプットで、より高いアウトプットを提供することといえる。

仕事におけるインプットとはすなわち、あなた自身の労働時間と時間当たり賃金によって測ることができる、一方でアウトプットとは、それによって生み出された価値、企業においてはすなわち個人が生み出した利益が該当する。

ここで問わなければいけないのは、あなた個人のインプットはいくらで、利益貢献した額はいくらかということである。

具体的な例でみてみよう。

Aさんは給与が年間400万円の営業マン、個人の売上高は年間で1000万円の売上がある。

売上1000万円のうち、Aさん個人の人件費コストを差し引くと約500万円が残る。すると生産性は500/400=1.25となる。

厳密に従業員一人当たりの生産性を求めようと思うと、その人が果たしてどれだけ会社にとって利益貢献しているかを問うことが重要なのである。

これは、厳密に数字で求めた事例だが、それ以外に細かい仕事のタスクでも生産性については考えることができる。

あるタスクを任された時に、投入した時間はある程度でわかる、それによって生み出された価値もある程度は想像ができる。

例えば、新規クライアントに対する提案資料の作成であれば、その資料の出来栄えによって、新たなクライアントが獲得できれば、長期にわたって企業に対して利益貢献をする。

インプットはその資料作成にかかった総時間である。

このようにインプットとアウトプットを意識するという事は、自分の価値に関して改めて考えるきっかけになり、どうすれば生産性を上げることができるかを考えるきっかけとなる。

仕事の生産性が低い原因は何か。

アウトプットに関しては厳密に細かい仕事に関してまで利益ベースで測る事は難しいだろう。

しかし、個々の仕事内容が企業にとってどれぐらい重要かは予想ができる。

インプットに関しては、給与に関しては変えることはできないので、重要な要素として投入時間がある。

仕事を終わらすためにどれだけの時間を費やしたかということである。

生産性が低い原因として、どのようなことが考えられるだろうか。

そこには様々な理由があるだろう。以下は特に多く考えられる例である。

企業にとっての価値ということを考えずアウトプットを出している。

・何らかの新たな付加価値を提供するという考え方がない。

集中力が低く、ダラダラと仕事をしている。

・そもそも仕事に対してどれぐらい時間をかけたか時間の見える化ができていない。

仕事の生産性が高い人に共通する点

さて、生産性が高い人たちに共通することとは何かということを考えてみたい。具体的にどのような人たちが当てはまるのか、例を通じて考えてみたい。

・これまで10人がかりでかかっていた作業をIT化することで、1人に減らした。(コスト削減による利益貢献は、IT化の費用を除いても5人分の給料に相当する)

・企業の将来の戦略を考える上で重要なデータを集めて提案することで、企業の戦略をより良い方向性に変えた。(重要なインサイトによって、無駄な投資を避けることができ、新たな利益を生み出す可能性がある)

・優秀な中途人材を採用することができ、その人が活躍して新しい事業が生まれた。(人事の役割によって新たな事業創出のきっかけとなった、利益貢献度は高い)

・人事制度を見直し、従業員一人一人が生き生きと働けるような環境を作り、離職率が改善して、無駄な採用費をかけずに済んだ。(無駄な採用コストならびに教育コストを削減することができ、かつ従業員一人一人の働きやすさが改善することで生産性も向上している可能性が高い)

さて、これらから考察するに、生産性の高い人とは、インプットの量が極端に少ないというだけというよりは、むしろアウトプットの方にフォーカスが置かれているような気がする。

アウトプットに関しても、既存のものを劇的に変えるような革新性があればあるほど、企業に対するインパクトは大きいことが分かる。

コスト削減に大きく貢献すること、新たな売上創出に貢献すること。

いずれかに全ては該当するところではあるが、どちらにせよ、貢献度の大きさは、どれだけ革新的かということが重要である。

また、ここから分かることは、単なる営業のように目に見える形で数字が見えないことでも、実は企業活動の中には、売上、利益に対するインパクトが大きい活動があるということである。

例えば、採用や人事制度など、多くの人に関わることは短期的には分かりにくいが、長期ではかなりインパクトが大きくかなり重要な項目である。

仕事の生産性を高めるためできること

これまで、生産性の概念と、生産性が高いということがどういうことかについて考えてきたが、実務レベルではどのように生産性を上げることができるかを考えてみたい。

全ての人には日々の業務があって、必ずしもすぐに企業に大きくインパクトを与えるような仕事に従事できるとは限らない。しかし、その中でも生産性を上げることは、長い目でみたときに、できる人材となるためには必須である。それでは考えてみよう。

時間管理を徹底して、仕事の生産性を高める

現時点を見直すということ第一歩として特に重要である。

まずは自分の仕事内容、それぞれにかけている時間を見直してみよう。

おすすめなのが、1週間全て時間をスケジュールに記入してみるということである。

30分単位で、何に対してどれぐらい時間をかけたかをみてみよう。

30分考えると、1日の勤務時間を8時間とすれば、1日に16コマがあるはずであり、1週間にすると、80コマに相当する。

1コマ30分として、1週間でどのように時間配分しているかをざっくりまとめてみよう。

(具体例)
メールチェック 20コマ
事業計画の策定 4コマ
定例ミーティング 10コマ
現場視察 5コマ
休憩 5コマ
思考 4コマ
・・・・
このようにまとめると、自分でも思ってみなかった事実が分かってきたりする。

例えば、思った以上にメールのチェックに時間をかけている、定例ミーティングが思った以上に多いが、あまり利益貢献はしていない、ただ参加しているだけ。

現場視察が実は大切で良いアウトプットが出せそうなのに5コマしか取れていない。

新たなアイデアを考える思考の時間がたった4コマで全然足りていない、などである。

Google Calendarのブラウザをパソコンで常時開きながら、30分単位で実施することをオススメする。

アウトプットの質が高い仕事に、より多くの時間を割く

それぞれの活動が企業の活動にどれだけインパクトを与えそうかも5段階評価で考えてみると良い。

5段階評価で2とか1に対して、多くの時間を割いていたら問題であり、早急に対処する必要がある。

質の低い仕事に関しては、そもそも止めるか、他の人に任せる、時間を短縮する努力をするなどして、とにかく時間を割くこと止めなければいけない。

時間管理を徹底し、仕事の生産性を高める

次に全体に通じることだが、自分の仕事のスピードを上げて、インプット(投入時間)を下げるということである。

仕事のスピードを上げるためには、例えば「完成度を下げてでも、上司に確認を求める」、「作業に取り掛かる前に方向性について、しっかりと確認してすり合わせる」、など方法は色々考えられる。

仕事にかけた時間も記録をして、どうやれば短くなるのかを常に考えることで、仕事のスピードは自ずと上がってくる。

いかに合理的にゴールにたどり着けるかということを常に考える思考がここでは求められる。

そして、余った時間ができれば、よりアウトプットの質が高い作業へと時間をシフトすることができるのである。