星野リゾートBEB5が若者向けブランドを安い価格で始める理由

星野リゾートBEB5が若者向けブランドを安い価格で始める理由

今日も仮説のトレーニングとして、記事タイトル「星野リゾート、軽井沢で「1泊5000円」のなぜ 将来の顧客「若者」を狙った新ブランドの勝算」を内容を見る前に、理由について仮説を立ててみました。

星野リゾートは新興ホテルながら、高価格帯で比較的年齢の高めの層をターゲットにしているイメージがあります。

今回、記事のタイトルでは若者向けに、かつ低価格のブランドを開設したとのことで、理由は何があるのかいくつか自分なりに仮説を立ててみました。

長期的目線で星野リゾートのブランド認知度を広げたいから

これは、一番初めに思いついた仮説です。

考え方としては、マクドナルドと同じ戦略です。

マクドナルドは子供向けのバリューセットがありますよね。多分みなさん子供の頃に買ったことがあるかと思います。

子供の頃にマクドナルドが身近にあった人は、大人になってからもマクドナルドを食べたいと思うことがあります。

これは、マクドナルドの味を若い頃に触れているため、親近感があるからです。

星野リゾートの今回の戦略も同じ理論だと考えられます。

現状の課題意識として、星野リゾートは高価格帯かつ高年齢層がメインの利用者となっていて、この層のターゲットにはとても刺さっています。

しかし一方で、若者の利用率は低いのではないでしょうか。

若者の利用率が低くても問題はないのではないか。いやそんなことはないでしょう。

経営者は、常に成長を考えて経営をします。これから日本の高齢者人口はどうなるかは、分かりますよね。

短期的には、高齢者人口は増えます。ただし長期のトレンドでは人口は減少します。

星野リゾートがターゲットにしているのはアクティブシニア層、高齢者人口が増えたとしてもターゲットは減る可能性は大いにあります。

将来の人口動態を考えると、成長するためにはターゲットの幅を増やすしかありません。

そこで、新たなターゲットとして若者をターゲットにした。

もしかしたら競合の存在もあるかもしれません。若者が親しいホテルのブランドが、今後長期的に高価格帯に進出してきた場合に、若者が親しかったブランドの方が利用されやすいのは想像がつきますよね。

将来の顧客である若者をターゲットにして先手を打っていこうというのが戦略の背景にあると考えられます。

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1泊 5,000円でも採算が合うようになっている

次に考えたこととして、1泊5000円と低価格であっても、利益は十分出るような仕組みになっているのではないかという仮説です。

ホテルの売上として考えられるのは、顧客の数 X 1人当たり平均宿泊数  X 平均顧客単価です。

部屋は狭いかもしれませんが、通常1部屋2人のところを二段ベットなどを活用して、4人が泊まれるようになっているかもしれません。こうすることで顧客の数を増やすことはできます。

また、一人当たり平均宿泊数に関しては、リピート回数を増やすことで増やすこともできます。

例えば、軽井沢は冬のスキーのイメージが強いですが、その他、春、夏、秋もイベントや何かしらの特別な機会を提供することで、集客をすることは可能です。

この辺りは、軽井沢市と一緒に共同で考えることはできそうです。

次に平均顧客単価ですが、こちらはなかなか上げることは難しそうですが、LCCのように、オプションで追加料金を取ることはできます。

例えば、食事やアメニティは有料にしてオプションにするなどです。

次にコスト面に関して、安くできる仕組みはないかと考えてみます。

物件自体の初期投資が安くて、投資回収がしやすい可能性があるかと考えました。

例えば、軽井沢の中古旅館やホテルを安く買取り、リノベーションをするなどです。

若い人であれば、立地もそこまで拘らない可能性もあるので、土地価格も抑えることができます。

そもそも物件は自社では所有せずに、運営受託という可能性もあります。

今後の海外展開の積極化を見据えているから

最後に思いついた点は、今後の海外展開を見据えているのではないかという点です。

星野リゾートはすでに海外展開をしていますが、こちらもどちらかというと富裕層向けをターゲットにしていると思います。

海外マーケットを見ると、特にアジアなどは日本に比べて平均年齢は低く、かつ所得も日本と比べて高くありません。

ボリュームゾーンとなる中間層向けのホテルを海外で成功させることができれば、そのポテンシャルは計り知れません。

しかし、いきなり海外で若者、中間層向けに手を出すのはリスクが高すぎるので、日本で挑戦してノウハウを蓄積してから、海外展開を考えているのではないか。

韓国や中国のブランドなんかは、新興国で低所得者向けにとにかく予算度外視して、ブランドの浸透を図ってきたため、彼らが中間層になった時にブランドに対して親近感を持ってもらえています。

日本は最初から富裕層向けをターゲットにしていたため、この点で取り返しのきかない差が出てきてしまった。

星野リゾートも長期の戦略を考えれば、若者向けのブランドを重要視せざるを得ないのではないか、そんなことを仮説として考えてみました。

星野リゾートBEB5はどんな感じ?

星野リゾートBEB5

上記のリンクを見てもらえば分かるのですが、コンセプトが面白いですよね。

思いっきり遊んだり
のんびり、まったりするのもあり。
ひとりになれる空間があって
話したくなれば相手がいる。
こだわりは違っても
「やってみたい」のノリは同じ。
楽しそうか、面白そうか。
いつでも来いよってベブは言う。
フラッと行く。自然と集まる。
ここは気の合うアイツん家、BEB。

出典:https://beb-hotels.com/karuizawa/

なんかこういうゆるい感じの、コンセプトのホテルはいいなと思います。

これまで、若者向けホテルってあるようでなかったから、面白いと思います。

若者はどうしてたかというと、ターゲットが曖昧な低価格なホテルに止まっていて、ここまでコンセプトを前面に出したホテルには止まっていなかったと思います。

料金も、1室16,000円と固定料金で、3名利用ならば一人あたり約5,000円となります。

仮説として、立地が悪いのかなと思ったのですが、ハルニテラスの近くなのでかなり立地は良いです。

ゲストルームもWEBページ見てもらえば、おしゃれです。

ここは仮説通り、部屋の空きスペースをうまく利用しているようです。部屋自体のデザインが木目調でおしゃれなので、狭さもあまり感じさせないですね。

若い人は特に部屋の狭さは気にしないので、とても良いと思います。

こういう新しいコンセプトに挑戦する星野リゾートは素敵だなと思います。

若者の旅行離れに一石を投じる、社長の思いもあるのでしょう。