職業、仕事の決め方がわからない人向け、将来性ある職業、進路の選び方
- 2018.05.20
- 自己啓発
将来性のある、生き残れる仕事、職業とは何か。
さて、これからの時代どのような人材が求められるのかということについて考えてみたいと思う。
多くの人が気になるテーマであり、どのように考えるべきかについて考察を深めながら、この問いに答えていければと思う。
まずは、キャリアにおいて完全な理想の状態を考えてみる。
このような人材になれれば良いなという理想像として考えられるポイントとしては、以下の通り
1. 社会から強く求められている、もしくは今後求められる可能性が高い
2. その人にしかできない、他の人による替えがきかない
3. 今後、長期に渡って需要、ニーズがある
4. 自分が好きなことに従事している
5. 高い能力が発揮できる、仕事に適性があり、得意である。
パッと思いつくのは、この5つである。もし、この5つを満たすような職業や仕事についているのであると考えられるのであれば、あなたは、世の中のほんの一部の幸せ者といえる。
大体の人はどこかが欠けている可能性ある。それぞれの項目について細かく、考えていこう。
社会から強く求められている、もしくは今後求められる可能性が高い人材とは
当たり前のことだが、キャリアを考える上で、1.の社会的ニーズが最も重要な要素である。社会から強く求められるような人材でない限り、人材としての価値は上がることはない。
しかしながら、日々の生活をしているとこの点はどうしても意識がなかなかできないものである。
なぜなら、会社に勤めているだけでは、社会との接点を持ちづらいからである。
自分の中での社会と、ここでいう社会は範囲が全く異なる。
会社で求められている人材=社会から求められている人材、とはならないのである。
社内におけるルールや、仕事の進め方を深く理解し習得している人たちは、社内においては評価されるが、環境が変われば、全く評価されない、もしくは足かせになる可能性だってある。
現在、社会から強く求められている人材が今後も求められる人材である、ということも必然ではないことに注意しなければいけない。
そこで、考えなければいけないのが、以下のポイントである。
・時代が変わっても求められる可能性が高い普遍的な人材へのニーズはあるのか
・もしくは今後長期に渡って求められる可能性がある人材のテーマはあるのか
これを理解するためには、現状と今後における社会の大きな流れについて理解しておく必要があると思う。
既に多くの人が気が付いていることだと思うが、日本自体を一つの会社と捉えれば、成長ステージは、成長期、成熟期、衰退期のうち、成熟期から衰退期に差し掛かっていると考えられる。
昨今のGDP成長率をみても理解ができるし、今後の少子高齢化のトレンドをみても理解ができるだろう。
では、企業経営においては、会社が成熟期から衰退期にかかった場合は、どのような対策を取るだろうか。会社を維持するために考えられるポイントは、
(1) 今後、売上が減る可能性がある中で利益を維持するために、コスト構造を変えること、
(2) 新たな価値を創造して、売上を創出すること、
(3) 国内以外の海外の展開地域を増やす
(4) 合併、統合などを通じて業界構造を変革する
さて、これを国に置き換えて考えてみると、
(1) これまでコストが掛かっていた構造を変革する取り組みを実施する
(2) 新規産業や事業を創出する
(3) 海外への輸出や事業展開を促進する
(4) 国内での産業構造の最適化
などが具体例として考えられる。
これらは、日々ニュースを見ていれば、現在多くの企業で起こっていることである。具体的には以下の通り、
(1)のコスト構造の変革においては、技術による人材コストの圧縮や、安い人件費を求め海外への拠点の移転
(2)新規価値創造に関しては、コーポレートベンチャーの創出や、イノベーションにつながるファンドの設立、スタートアップ支援
(3)は企業の積極的海外展開
(4) は企業の合併統合、海外企業による日本企業の買収
これらの大きな流れから以下のような人材が求められる人材と考えられるのではないだろうか。
(1) コストを圧縮、最適化できる事業やサービスに従事している人材、もしくは個人としてのスキルを有している人材
(2) 新たな価値を創造できる人材、もしくは価値創造を間接的にサポートできる人材
(3) 海外での事業展開を実現できる人材
(4) 業界構造を変革できる人材と考えられる。
それぞれ分かり易く短く次のように定義してみよう。(1)コスト最適化人材 (2) 価値創造人材 (3) 海外人材 (4) 業界変革人材
それぞれイメージとしては、
(1)は、技術を活用して人件費を圧縮するようなサービスに従事する人材や企業の資源の最適化を進める外部コンサルタントなどが該当する。
(2)は起業家やスタートアップ、ベンチェーキャピタリスト、企業内新規事業担当などが具体例として当てはまる。
その他それぞれの業界において新しい取り組みを実施し新たな価値を提供している全ての人が当てはまる。
(3)は、日本と海外を繋ぐような人材、もしくは海外で事業を立ち上げている人材
(4)は、イメージとしては、金融系や総合商社がイメージに近い。企業のM&Aなど、金融の力で業界の最適化を推進する人材である。
コスト最適化人材は将来性のある仕事、職業といえるか。
さて、企業におけるコストとは何か。勘定科目における、仕入れ・経費に該当する項目が当てはまると考えら、主なところだと、仕入れ、給与賃金、地代家賃、広告宣伝費などが該当する。
売上が伸びない状況下、企業は利益を創出する上でこれらのコストを削減する努力が今後求められる。
ここでいう、コスト最適化人材とは、企業のコストを最適化することをサービスとする事業に従事する人材を指す。
それらは、大きく「コスト構造全体を最適化する人材」と「個別最適化を推進する人材」に分けられると考えられる。
前者は、いわゆるコンサルタントや税理士など企業のコスト全体をみた上で最適化できる人材である。
昨今のコンサルティング会社は、コスト最適化の案件が多いといわれるのも社会の要請が多い実態をよく表している。
これらに従事している人材は、長期的にみても一定のニーズはあると考えられる。
しかしながら、コスト削減に関しては、努力に限界があること、どこかで頭打ちになることを理解しなければいけない点で、長期に渡ってニーズがあるかといわれると、自信を持ってYesとは言えない。
また、他の人と差別化をするという観点でも難しいのではないかと考えている。
なぜならある程度のコスト削減の手法は定型化できる可能性があるからだ。
もちろん、中にはクリエイティブな手法でコスト構造自体をドラスティックに変えるということは可能性としてはあるが、それらは企業の経営そのものに関与した場合に限られる。
したがって、コスト最適化人材の中でも、定型的に業務を行なっている人材に関してはニーズの低減とともに淘汰が進むだろう。
一方で、企業経営そのものに関与して、コスト構造を変えるなどのクリエイティブな手法を実施している人材に関しては、長期にわたってニーズはあると考えている。
次に、個別最適化に焦点を当ててみたい。
これらは、簡潔にいえば特定の勘定科目にインパクトを与えるコストソリューションサービスを提供している人材が該当する。
例えば、これまで人件費がかかっていた業務をIT化を推進して代替し、人件費の削減に貢献するサービスなどである。
例でも出したように、特に大きなテーマとしては、業務のIT化である。
これまで時間と人件費がかかっていた業務をIT化によって効率化する動きは今後も加速しそうであり、この業界にいる人材は長期でみてもニーズは高いと考えられる。
私が興味を持っている上場企業の例でいうと、このブログでも紹介した、Robotic Process Automationに関わる「豆蔵ホールディングス」や、プリント基板の製造・開発・実装を格安で提供する「ピーバンドットコム」なんかはこのテーマに該当する。
興味がある人はリンクから記事を読んでもらいたい。
個別最適化で注目に値するのは、IT化や業界構造に変革をもたらすなど、イノベーティブな形でコスト削減を実現する企業であり、このテーマに関しては、息の長いテーマだと考えられる。
価値創造人材は、将来的にニーズのある人材と考えられるか。
価値創造人材と勝手に定義したが、どのような人材が該当するのだろうか。
少し深いところまで考えてみよう、そもそも価値とは何か。
物やサービスには値段が決まっている、例えばハンバーガーショップでもメニューにはそれぞれの個別の価格が決まっている。
価格とは提供者が値決めすることができるが、長期でみれば顧客のニーズとマッチしていないければいけない。
そういう意味で、価格は、その物、サービスが持つ価値を顧客である我々が判断した指標と考えられる。
では、価値があるとは、価格が高いものといえるのか。
長期でみれば、価格=価値に落ち着くと思っているが、短期ではそれがズレる可能性がある、なぜなら価値を判断するのは人間であって、人間はいつでも合理的ではないからである。
つまり価値とは、「人がサービス、物に対して感じる潜在的もしくは顕在化しているニーズ」と定義でき、具体的に分かりやすいように価値を指標化にしたものが価格といえるのではないか。
価値の起点は必ず人であり、今は本人も気づいていない潜在的なニーズまでも含まれるという点がポイントである。
しかし、価値と価格にはズレがあることを指摘したように、我々人間は、必ずしも自分が必要としている物やサービスを認識しているわけではない。
それが分かれば新規事業やイノベーションは簡単であり、ここにギャップがあるからこそ難しさがある。
そういう意味で、ここでの価値創造とは、「我々、人間がそのサービス、物を将来的に必要とする可能性がある」顕在化した、もしくは未だ顕在化していない価値を創造し、提供する一連の行為であるといえる。
では、具体的にそれらはどのような人材を表すのか。
これも価値創造のプロセスにおいて、直接的に価値創造に関与する人と、間接的に関与する人に分かれる。次の項目で詳細をみてみよう。
直接的に価値創造に関与する人材とは何か。
端的に価値創造をタイプ別に分けるとすると、企業活動、研究活動、芸術活動が該当すると考えられる。
企業活動とは、まだ顕在化していない新たな価値を提供しようとしているスタートアップや、新規事業に挑戦する企業群が該当する。
研究活動とは、企業活動と被る要素もあるが、技術的な要素で革新を起こすような活動をさす。
芸術活動とは、アーティストと呼ばれ、音楽家や画家、デザイナーなどの人材が当てはまる。
これらの人材は、顕在化していないが、これから顕在化するであろう価値を創造しようと活動している人材である、これらの人材の希少性は非常に高い。
なぜなら価値と価格のギャップで説明したように、一般的に人はまだ見ぬ物を想像、創造するのが得意ではないからだ。
なぜ、得意ではないのか。色々な理由があると考えられるが、そういう教育や経験を多くの人が受けていないということにやはり起因するのではないだろうか。
これまでの日本の経済成長をみれば分かるのだが、大きくいうと安い人件費と人口の多さを活用して、製造の面においてリードしてきた。
そのような局面では、価値を新たに創造するよりも、どれだけ効率よく決められた日々の業務をこなせるか、といったオペレーショナルな人材の方が求められるのは容易に創造がつく。
では、価値創造ができる人材とは、どのような人材だろうか。
彼らは、世の中の流れと違った見方ができ、本当の価値について考えることができる人材と捉えることができる。
簡単にいってしまえば、常識に囚われない一方で、本質的に必要とされる価値は何かを理解でき、それを創造できる人材といえよう。
芸術に関しては、少し他と毛色が違うように思われるが、芸術家として大成するためにも、何が社会から求められるのかという観点を理解することは重要である。
企業や研究活動と比べると、独自の価値を提示する要素が強いのが特徴であると考えられる。
これらの活動に共通する点は、人が何を求めるのかということを徹底的に追求する必要が出てくるという点である。
ただ単に常識を疑う、常識に流れないという条件だけではなく、人が何を求めているのかという点を理解し、徹底的に追求する姿勢がある人材が、価値創造人材には求められる資質として考えられる。
ただし、人が求めるもの=新たな価値、というイコールの式は成立しないケースが多く、現状を理解した上で、人が求めそうな物を想像し、創造することが求められる。
だたし、よりイノベーティブ、クリエイティブな価値ほど、これまで顕在化していなかった新たな価値を提供することだと考えると、顕在化していない価値を創造し提示することの難しさは計り知れない。
計画的に価値を創造できないため、一連の作業の不確実性が非常に高いと考えられる。
しかしながら、トライ&エラーで精度は上がっていくのではないかと考えている、つまり重要なのは、どれだけ挫けずにトライ&エラーを繰り返せるかという量の問題に発展していく。
なぜなら、人が求めるであろう物に関しては、本質的な部分で変わらない要素はあると考えられるからである。この点に関しては、量を極めた人がみえる世界が広がっている気がしている。
本質的な要素とは、そのサービス、物を使用、買うことによって、何らかのメリットが購入者にあるということ。
つまり、彼らが何に対してメリットを感じるであろうかということ想像する必要がある。
以下、ポイントにまとめてみた。
・直接的価値創造人材とは、相反する二面性を持つ必要がある。それは、常識に囚われないという側面が必要な一方で、人の欲求、求めているであろう価値に対する想像や理解が必要である。
・新たな価値創造は、未だ顕在化していない価値を想像、創造し、社会に提示する必要がある行為ので、高い不確実性が伴う。
・それを克服するためにはトライ&エラーという社会との対話を、圧倒的な量をこなして精度を上げていくことが重要である。
間接的に価値創造に関与する人材とは何か。
これらは、価値創造に直接は関与していないが、間接的に彼らをサポートするような人が該当する。価値創造のプロセスにおいては、一般的な企業活動と同様に様々なニーズがある、それらは一般的には、人、物、金、情報の提供である。
人という観点では、直接的に価値創造している活動に対して人材を提供する、人材紹介、派遣が該当するであろう。金に関していえば、ベンチャーキャピタルやCVCなどのリスクマネーを提供する機関が該当する。
これらの価値創造のプロセスを大きなエコシステムと考えると、そのエコシステムに関与する人材はここの間接的に関与している人材に該当する。
価値創造人材になる方法
価値創造人材に、そもそもなろうと思ってなれるのか、なるための条件は何か、なるためのプロセスについて考察を進めていきたい。
前項でも記載した通り、価値創造人材とは、二面性を持つことは理解できたが、それ以外にも価値を創造するプロセスにおいて、単純化はできないプロセスが待っている。
そのプロセスとは、まさにトライ&エラーを繰り返しながら、発見と創造を繰り返していくのである。
価値創造には、大きく二種類タイプがいると考えられる。
①明らかにこのようなサービス、物があれば価値提供につながるという強い信念の下、創造していくタイプ
②業界を理解を深めていく中で偶然と価値提供に値するサービス、プロダクトを見つけて創造していくタイプ
前者に関しては、すでに業界経験が長く、その業界の様々なステークホルダーの理解がされており、ニーズや課題を明確に理解している場合に当てはまる。
一方で、後者の場合はもともと新たな価値創造を狙ってというよりは、たまたま業界に所属する中で見つかったケースである。
どちらの場合でも共通することが、業界経験があるということ。
これは先ほど提示した二面性のうちの一つに該当する、「人の欲求、求めているであろう価値に対する理解」が該当する。
この力は価値創造人材にとっては、共通に強く必要となる前提条件であることが分かる。
これらは顕在化していない場合が多いので、業界の中にいる人からヒアリングしたからといって出てこないケースが多い。
自分から探しにいかなければいけない。そういう意味でも前提条件である、業界を理解するということをクリアした上で、常にその常識や慣行を疑う姿勢が求められる。
海外人材とは何か。
これから国内の市場が小さくなっていく中で、国、企業が成長する方法の一つとして海外展開、もしくは海外企業の誘致がある。
この際に活躍が期待できるのが、ここでいう海外人材だ。
具体的に定義するとすれば、日本と海外との架け橋となる人材、もしくは海外でマーケットを開拓できる人材が該当するだろう。
現時点でどのような人々がこのカテゴリーに分類されるだろうか。
・日本から離れた海外の起業家
・事業展開を推進する海外の駐在員
・海外企業向けの投資家
・海外展開支援をするコンサルティング会社
・海外企業の日本国展開支援
などが具体的にはイメージが湧きやすい。
ただ注意しなければいけないのは、ここでいう海外人材とは単純に海外に住んで働いているというだけでは意味がないし、単に語学が話せるから価値があるという訳ではない。
海外人材に求められるのは、やはり現場感ということであろう。
これは価値創造の項目で話したことに似ているが、ローカルのコンテクストをどれだけ理解しているかということが重要になる。
日本から海外へ進出する際にも、海外でそのまま起業する場合でも、その土地のニーズや商習慣を理解していない限り、まず話にはならない。
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