企業分析のコツ、企業ビジネスの価値創造、提供のプロセスを理解する
- 2020.06.29
- ビジネス・経済
ビジネス・企業活動の本質理解には、圧倒的なメリットがある
企業分析をする際に、重要な点は企業活動やビジネスの本質を理解しているかどうかです。
投資活動、転職活動、仕事においても、ビジネス・企業活動の本質を理解しておくことのメリットは計り知れません。
・投資活動においては、正しい投資先を選定できる、誤った投資を避けられる
・転職活動においては、成長する企業に身を置くことができる
・業務や仕事においては、事業成長のためのポイントを素早く抑えることができる
以上のように、ここを理解することのメリットは重々理解できると思います。
本記事では、前半で抽象的に企業活動・ビジネスを捉え、後半で具体的事例を交えながら理解を深めていきたいと思います。
企業活動・ビジネスとは
まずは、以下の質問に答えられるでしょうか。
・なぜ、企業によっては伸びる会社がある一方で、衰退する企業があるのか。
・業界は違えど、ビジネスにおける本質は何か。
まずは身近なところから、そもそも企業活動・ビジネスとは何かを考えてみたいと思います。
企業活動・ビジネスの定義
私が考える企業活動・ビジネスは以下の通りです。
顧客対して、何らかの価値提供を通じて対価を得る活動
あらゆる企業に共通する要素としては、以下のようなプロセスがあるのではないでしょうか。
・何らかのサービスや技術、商品を提供することによって顧客から対価を得て、売上を上げる
・人件費や固定費などのコストを支払い
・残った利益を関係者で分配するか、貯蓄するか、投資に回すかの判断をする
したがって、顧客に対して価値提供をすること、またその価値がお金という形で支払われるということが重要な要素であると考えられます。
重要なポイントは、「顧客」と「価値」、「提供」
定義を分解すると、さらに複数の要素に分けられることができると思います。重要な要素としては、以下に分類できるのではないでしょうか。
①「顧客」は誰か
②どのような「価値」を提供しているのか。
③「提供」方法は何か
それではそれぞれ見ていきましょう。
「顧客」は誰か
「顧客」とは、すなわち企業の提供するサービスや商品に価値を感じ、それに対して対価を支払ってくれる存在です。
ビジネスを正しく理解するためには、「顧客」は誰なのか、ということを正しく捉える必要があります。
また「顧客」とは、対価を支払ってくれる存在なので、それ以外は「顧客」と捉えることができないので、注意が必要です。
当たり前のことですが、企業分析をする際に、顧客理解を正しくできていない人は多いと思います。どのようなお客さんが使っているのか、その特性や特徴を理解することは本当に重要です。
どのような「価値」を提供しているのか
次に、「顧客」に対してどのような「価値」を提供できているのかということ。
「価値」とはすなわち、「顧客」に対して何らかのメリットや利益を与えているということです。
例えば、コンビニでコーヒーを買うという行為は、購入者が、コンビニが提供するコーヒーを飲むことで、「目覚め」や「集中」や「リラックス」できるという状態に対して利益やメリットを感じている、これこそが「価値」です。
ここも顧客理解が進むと、「価値」が何かを理解できるでしょう。
企業が考える「価値」と顧客が感じる「価値」は異なる
さて、一つ重要な点として、企業が定義、提供したいと考える「価値」は、顧客が考える「価値」とは異なっていることが往々にしてあります。
ここはかなり重要なポイントなので、注意が必要です。やはり、「顧客」起点で物事を考えることが重要です。
ビジネスの本質は、「顧客」ありきですので、ここの理解をすっ飛ばして、企業側が勝手に「価値」を創造して押し付けたとしても、このビジネスは上手くいかなそうですよね。
そういう意味では、企業分析をする際には、分析対象の企業は、「顧客」を正しく理解しているか、「顧客理解」に努めているか、「顧客を大事にしているか」という点はかなり重要な点です。
「価値」の提供方法は何か
最後は、「価値」の提供方法は何かというポイントです。「顧客」と「価値」が理解できれば、大枠は理解ができていると思いますが、最後は正しく、その価値が提供されているかという点です。
提供方法には、大きく二つ種類があります。
一つは、物理的な提供方法、もう一つが、訴求的な提供方法です。
前者は、顧客が購入してくれることを前提とした実際の価値提供です。後者は、これから購入をしようとする顧客へと正しく価値を伝える(マーケティング活動)ということです。
後者はマーケティング活動が当たります。「価値」を顧客は感じてくれるのに、それが「顧客」に伝わっていなければ、もったいないですよね。
マーケティング活動においては、この価値を正しく「顧客」に伝える必要があります。
企業活動・ビジネスの価値提供、具体例
一般的に分かりやすいように、一般的な生活の例で紹介します。毎日使う、お金を支払ったサービスや商品を思い出してください。
例えば、朝のカフェでの紅茶、電車賃、お昼に購入したサンドイッチ、コンビニでの弁当購入。
それらは、お金を支払って購入したものであり、それに対してあなたは価値を感じたから支払っています。
「価値」の認識は、意識的か無意識か
例えば、なぜ、そのカフェに入ったのか、なぜ「紅茶」を頼んだのか。
・駅近で立地が良さそうなカフェであったから
・かつ冷たいものが飲みたい、コーヒーではなく、さっぱりした「紅茶」は美味しそうと思ったから
そこには、必ず”価値がある”という判断が介在しています。
もちろん、毎回このような思考回路にはなっておらず、無意識に選択はしていると思いますが、何かしらの理由はそこにはあるでしょう。
習慣化した行動は、無意識になってしまいますが、一番最初に選択したときには何かしらの行動背景が存在しています。
「顧客」一人一人の支払いによって、ビジネスが回っている
私が支払ったお金は、カフェの売上になり、その売上はカフェを運営する会社の売上となり、その売上から原材料の仕入れや人件費が支払われています。
普段、少額の支払いだと意識することがないのですが、私たちの毎日の消費によって、企業は成り立ち、そのお金によって、関連する企業にお金がまわり、従業員にお金が支払われます。
そして、そこの従業員は給与を受け取り、再度他の企業での消費活動をします。
このように考えると、全てのお金の流れは繋がっているのだと、実感することができませんか?
自分が支払ったお金はどこにいくのか、それを考えてみると面白いと思います。
さて、まとめると以下のことが言えるでしょう。
世の中は価値創造、消費の連鎖によって、回っている
ビジネスを構築するためには
お金を獲得するまでのプロセスを考えてみれば、ビジネスを構成する要素が分かります。
そして、そこのプロセスが理解できれば、ビジネスを構築することも可能になってくるのではないでしょうか。
例えば、先ほどと同様、カフェで購入した紅茶を考えてみたい。
私は、何に対して「価値」を感じたのかというと、
「静かなスペースで、冷たい飲み物を飲み、集中する時間を得ようとしていた。」
つまり、紅茶そのもの以外にもカフェという店舗で何らかの作業をすることにも価値を感じているので、対価を払ったのです。
つまり、商品自体よりも、作業をする場所としてに「価値」を感じていたのです。
目に見えない「価値」は沢山ある
価値とは、顧客の感じ方によって様々です。目に見える商品という価値以外にも、目に見えない何かに価値を感じていることは沢山あります。
コーヒーを飲みたい、喫煙をしたい、友人と話すスペースが欲しい、勉強スペースが欲しい、涼しい場所に行きたい、ランチを食べたい。
顧客が必要とする「価値」を生み出すプロセスが価値創造
顧客が求めている価値に合うようなサービスを提供することが、「価値創造」であり、その価値を顧客に提供することが、「価値提供」ということでしょう。
したがって、企業活動・ビジネスのプロセスとしてはシンプルに考えれば、「価値創造」と「価値提供」の二つであることが分かります。
価値創造は、ビジネスを新しく作り出すだけではなく、今のビジネスに変化を生み出すことも価値創造となります。
例えば、普通のカフェがこれまで以上に居心地の良い場所を「価値」として顧客に感じてもらいたいという場合には、店舗のリノベーションやコンセントをつけたりなどをして「価値創造」をするでしょう。
そうすれば、これまで以上に飲み物を飲むという価値以上に、「居場所」としての価値を感じて、新たな顧客を創造できます。
価値創造プロセスとは
さて、ここからは価値創造プロセスについて考えてみたいと思います。
カフェを経営している経営者になって考えてみましょう。カフェをオープンするためには、様々な準備が必要です。
最終的にお金(価値に対しての対価)を支払ってくれる顧客に対して、お金を支払うだけの価値を感じてもらえるようにする必要があります。
顧客が何に対して価値を感じてくれるかは、最初から予測することは不可能ですが、一定の仮説は立てることは可能です。
顧客は何に対して価値を感じてくれるか
想定する顧客は、何に対して価値を感じて、対価を支払ってくれるか
という根本的な仮説を立てることです。
・数多ある選択肢の中から、自社のカフェを選んでくれる価値とは何か。
・顧客が求めているものでまだ提供されていない価値は何かを探さなければいけない。
・その価値を提供するために、何を構築すれば良いのか。
・実現した時に、ビジネスとして成立するか、利益が上がりそうか。
これらのことを根本的に考えなければいけません。
もちろん、ここまで細かく考えている経営者はなかなかいないでしょう。また、試してみないと分からないことも多々あるので、行動してみることも大切です。
価値創造において、顧客理解は最重要
あなたがカフェの経営者になった場合にまず何をしますか。私の場合だと、以下のポイントをとりあえずはブレスト的に考えてみます。
・カフェビジネスにおける構造を理解する。どのようなプレイヤーがいて、収益構造はどうなっているのか。
・顧客が求めているものを理解するために、異なる種類のカフェに足を運び、そこでの顧客層を観察する、どの層でカフェで何をしているか、何を注文しているか。
・可能であるならば、知人や友人などに簡単なヒアリングの実施をして、顧客理解を深めたい。
・実際にカフェで働く。カフェのコンサルをする。経営の実態を把握するため、どこに課題がありそうかということの把握する。
・まだ、提供されていない新たな価値を模索するために、海外の事例や、異なる業種からの事例を集めてくる。ヒントになる可能性が隠されている可能性あるかもしれない。
・リスクを抑えるため、資金が小さく始められそうなカフェを模索する。顧客と触れ合えば何かしら学びはあるという仮説。
価値を提供する対象が顧客となるので、やはり顧客理解、現場理解は最初の段階でもっとも最優先として重要な要素であることが分かります。
何気なく行っているカフェでも再度観察してみると、例えば以下のことが分かる。
・ドトールは、多様な客層がきている、あまりお洒落な層はいなく、サラリーマンや主婦、学生などが多い印象。
・そこから”気軽に入れる”ということが売りになっているのだろう。
・スタバは、明らかにお洒落な20代、30代の女子が多い印象がある。
・お洒落さや、快適な空間を求めてきている可能性がある。何らかの作業を一人でしている人が半分近くいて、フリーランスやサラリーマンや学生の作業場となっている可能性が高い。
このように考えると、どの顧客層が何を求めているかが分かり、価値提供の仮説と、それに向けた価値創造のプロセスに進むことができると考えられます。
まとめ
今回は、ビジネス・企業活動について、抽象的に捉えてみました。改めて、「顧客」の存在がどれだけ重要なのかが理解できたのではないでしょうか。
何かしらのヒントとして、今後の参考になってもらえれば、嬉しい限りです。
私自身も、改めて企業分析する際に「顧客」を強く意識して調査していこうと思います。
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関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】
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