株式会社アクリート(4395)事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

株式会社アクリート(4395)事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

アクリート(4395)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/2/1)

時価総額:74億円

PER(予):43.65倍

PBR:6.47倍

(追加調査:2023/5)

時価総額:63億円

PER(予):8倍

PBR:3.4倍

→ 一時期高騰して、今の株価の3倍まで到達した時期がありましたが、結局調査当初の時より変化はありません。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:351

2017年:949

2018年:1,291

2019年:1,413

2020年:-

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:36

2017年:171

2018年:246

2019年:254

2020年:-

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:15

2017年:112

2018年:152

2019年:170

2020年:-

ROE推移

(単位:%)

2016年:18.9

2017年:58.6

2018年:18.4

2019年:16.7

2020年:-

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:36

2017年:26

2018年:-

2019年:-

2020年:-

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:60

2017年:223

2018年:769

2019年:988

2020年:-

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:22

2017年:170

2018年:123

2019年:211

2020年:-

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-17

2017年:5

2018年:-15

2019年:-19

2020年:-

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-11

2017年:-13

2018年:438

2019年:26

2020年:-

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:4

2017年:176

2018年:107

2019年:192

2020年:-

アクリート、ビジネスモデル・事業内容

※以下は、2019年に調査した内容となります。適宜追記してきます。

時価総額100億円以下の中小企業で、気になった銘柄がありましたので、調べてみました。

今回はアクリート社です。この会社、SMS配信事業でパイオニアの企業で、最近上場した比較的新しい会社です。

事業内容は単一事業の、SMS配信事業です。

携帯電話を持っている人なら一度は使用したことがあるサービス、SMS(ショートメッセージサービス)のことです。

実はニッチな市場ですが、このSMS配信マーケットは近年急激に伸びています。

日本ではあまり馴染みが無いかもしれませんが、海外ではSMSの使用は当たり前。例えばアプリをダウンロードして個人認証の際にSMSが活用されていたります。

日本の市場においても、海外のアプリの普及やセキュリティーの意識の高まりに伴って市場規模は伸びています。

それでは、細かくみていきましょう。

アクリートのミッションは、

大量のSMSを、正確に、安定して配信する

SMSの事業用途を広げる

SMS配信マーケットを健全に発展させる

出典:当社HP

会社ミッションにも掲げられている通り、SMS事業にフォーカスしており、SMSのマーケットを切り開いていく姿勢が伺えることができます。

個人的にアクリート社の注目すべき点をまとめてみました。

導入企業が超一流、グローバルIT企業、豊富な実績

会社HPを見ていただければ分かるのですが、導入企業の一覧企業に錚々たる企業名が並んでいます。小さな会社ですが、実績があることが伺えることができます。

SMS事業のパイオニアであること、携帯大手三社と直接契約を結んでいるなど、優れていることが伺えます。

導入事例:https://www.accrete-inc.com/usecase/

SMS配信市場2年連続シェアNo.1 2015年,2016年)

HPのトップに記載があるのですが、市場シェアNo.1を確保していたことがあります。

しかしよく見ると、2015,16年のデータと記載があるので、注意しなければいけません。2017年度は競合他社にシェアを奪われていることが伺えます。

ただ、この規模で市場シェアのトップを走っていることは間違い無いでしょう。

携帯電話業社との直接接続、国内正規ルートを確保

この点は、SMS配信事業において特に重要な点。この正規ルートが無いと配信自体が難しい可能性もあります。

資料を読んでいると、いわゆる正規ルート外でのSMS配信もある模様ですが、こちらは到達率が低いなどセキュリティの強化に伴い減少傾向であるようです。

そういう点、当社は正規ルートを確保できている点は評価できる点でしょう。

セキュリティ関連の技術なので、ニーズは拡大傾向

これはSMS配信市場全体について言えることなのですが、SMS配信市場はセキュリティーの意識の高まりと密接に関わっています。

というのも、電話番号と個人は必ず1対1で紐づいているので、個人認証という手段においては他よりも優れているからです。

個人のなりすましを無くしたり、二段階認証の手段として活用されたりなど、今後使われる場面は増えていく可能性が高いです。

隠れたセキュリティ関連銘柄であると言えます。

関連記事:セキュアヴェイル (3042)ブログで企業分析|サイバーセキュリティ注目小型株

SMS配信は万人にリーチできる手段である

これは、マーケティングコミニケーション手段としてのSMS配信の可能性について考えられます。

先ほど述べたとおり、SMSは個人と1対1で紐づいています。そして、今の時代万人が携帯電話を持っています。

個人的にも、ショートメッセージは頻繁には見ることはないのですが、メッセージがあるとついつい見てしまうことが多いです。

そういう意味では、開封率も、迷惑メールよりも断然に高い可能性があります。

SMSの内容、質がしっかりと保たれているのであれば、一定の開封率は見込めるためマーケティングツールとしても期待ができそうです。

国内企業の普及率がまだまだ低いこと

当社の決算資料を見ると、SMS配信サービスの利用は、国内普及率という観点ではまだまだ低い模様です。

日本のセキュリティの意識が低いこと、LINEなどのソーシャルメディアの普及率が異常に高いことが要因として考えられるかもしれません。

海外では当たり前のように使われているサービスですので、今後のセキュリティ意識の高まりとともに普及する可能性は高いでしょう。

高収益モデル(社員数が11 201812月末時点)

この点が一番驚いたのですが、上場企業でもあるにも関わらず社員数が11名ということです。

つまり儲かる仕組みはすでに出来上がっている高収益体制ができているということが伺えます。

労働集約型のビジネスではない、仕組みのビジネスという点で、コストがそこまで高くないという点は、ビジネスモデルとしてとても高く評価ができます。

SMS配信市場自体は伸びる予想

当社の決算資料を見ると、今後のSMS配信市場の伸びが理解できます。そして、その伸びがとても高い。2021年には、配信数が2017年の3倍から4倍近くに成長することが伺えます。

ここまで短期間で成長するマーケットは国内においてなかなか見当たりません。

健全な財務体制(201812月期末時点、有利子負債ゼロ)

高収益なビジネスモデルであることが理解できます。有利子負債がゼロ、上場したばかりなので資金的な余力もあります。

今後の成長に向けた投資を継続できることと、業績の落ち込みにも耐えられる体制となっていることが予想できます。

SMS配信の利用目的は多様

今後の利用目的は、いろんな業界に活用できそうです。個人認証、マーケティングコミニケーション、IoT分野での遠隔操作などが挙げられています。

個人認証という観点では、FinTechの普及や、CtoCのアプリの普及など様々サービスの拡大ともに市場は拡大しそうです。

IoT分野の点がよく理解できなかったのですが、IoTの普及とともにSIMを活用した遠隔操作にSMS配信の技術が活用されるということかと思われます。(この点は要調査)

IoT分野は今後爆発的に普及することが予想されるので、通信の分野でサポートするSMS配信技術は面白そうだと思います。

次に懸念点について検討していきたいと思います。

競業他社との競争が激化している可能性がある

SMSの配信だけなので、どのように差別化するのかがポイントになります。

ちなみに競合他社は

NTTコムオンライン・マーケティングソリューション
https://www.karaden.jp/karadenpush/

AOSモバイル
https://www.aossms.com/

メディア4u
https://www.media4u.co.jp/

大手4社の寡占状態。最大の競合相手はNTTコムになりそう。2017年に関しては、NTTコムがシェアNo.1を確保しています。

参考記事:https://www.nttcoms.com/news/2018081601/

NTTコムオンライン・マーケティングソリューションの存在が気がかりです。この会社のバックにはNTTがいるので、資本力もブランド力もあるので、どのようにシェア奪還するのかが気になるポイントではあります。

海外SMSアグリゲーターの売上依存が高いこと

平成2912月期における売上高の70%近くが、海外アグリゲーターがグローバル企業より委託されたSMS配信を、アクリートが国内向けに配信受託している状況。

少し分かりにくいのですが、海外アグリゲーターとの関係性の変更が売上にダイレクトに影響を与える状況はリスクとなるということです。

海外のマーケットでは、アクリートと同じようにSMS配信を一手に引き受けている アグリゲーターが何社かいるのでしょう。

その海外アグリゲーターとアクリートは取引があり、そこからの売上の比率がアクリートは高いということです。

リスクとしては、海外アグリゲーターが他社競合企業への切り替えや自前で国内市場に参入した場合は売上減少する可能性があるということです。

分析コメント

個人的には、SMS配信事業自体にすごく魅力を感じています。

一方で、競合他社の存在が気がかりとなります。

SMS配信事業自体にどのような差別化ができるのかが理解ができないため、価格競争になってしまうと資本力がないと勝てない可能性も出てきます。

すでに寡占状態となっている市場だけに、市場の成長率が競争を凌駕すれば、成長は見込めるのですが、必ずしも圧倒的なトップで走り続けることができるとは言い切れないでしょう。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

方法①:無料の勉強会・セミナーに参加して体系的に基本を学ぶ

独学で学ぶ際に、無料セミナーに参加することは手軽でおすすめです。

セミナーでは、必要なポイントに絞って学ぶことができ、かつ、一般的な投資参加者の視点を得ることができます。


【無料開催中の勉強会・セミナーの一覧】

株式投資の学校


受講生の7割以上がプラスの運用成績を出している、ファイナンシャルアカデミーの人気スクールです。
体験セミナーでは、①お宝銘柄が見つかる3つの基本、②売買タイミングを判断する重要視点、③安定的に利益を出すためのリスク管理法、の3つの視点を学ぶことができます。
8割が損をすると言われる株式投資で、運用実績がマイナスのスクール受講生は、わずか9.4%とHP上では明言しているので、コンテンツにはかなり自信があるのでしょう。

>>【公式】https://www.f-academy.jp/

お金の学習・相談サービス『マネイロ』


資産運用やお金の増やし方をプロから動画視聴形式で学べるサービスです。カメラオフ+発言なしで気軽に参加できます。
つみたてNISA、iDeCo、投資信託などの資産運用について、初心者の方にもわかりやすいコンテンツです。
オンラインセミナーは1回30分、スマホでの視聴もOKなので、自宅やカフェからも気軽に参加できるのは嬉しいポイントです。

>>【公式】https://moneiro.jp/

投資の達人になる投資講座


投資初心者から経験者まで累計25万人以上が受講したオンライン投資セミナーです。
特徴としては、①講師が営業マンではなく投資の実践者なので、投資のリアルな話が聞ける点、②世界三大投資家ウォーレン・バフェット氏の元義娘、株式投資分析の世界的権威ジェレミー・シーゲル教授など著名な方々から直接情報を得ている点、③他で聞けない投資のノウハウが得られる点、です。
2021年には、最も信頼されるオンライン投資セミナーにも選ばれています。

>>【公式】https://toushi-up.com/

方法②:SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用して銘柄を見る習慣をつけることも効果的です。


SBI証券[旧イー・トレード証券]

スクリーニング機能を使うと、さまざまな指標を組み合わせて効率的に銘柄を見つけることができます。

SBI証券では3,600以上の銘柄が取り扱われていますが、スクリーニングを上手に活用することで、素晴らしい銘柄に出会うことができます。

関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

著名な投資家の本を読むことは、投資における知識と洞察を深めるために重要です。これらの本は、成功した投資家の経験と教訓に基づいて書かれており、貴重な情報を提供してくれます。
投資家の視点や戦略を学ぶことで、市場の動向やリスクの評価についての理解が深まります。
また、投資家の成功や失敗のエピソードを通じて、心構えやリスク管理の重要性も学ぶことができます。これらの本は投資初心者から上級者まで役立つ情報を提供し、自身の投資戦略を構築する上で不可欠な道しるべとなります。