さくらインターネット(3778)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能

さくらインターネット(3778)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能

さくらインターネット(3778)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/10)

時価総額:226億円

PER(予):115倍

PBR:2.7倍

株価はかなり高い水準です。一時的に利益が低迷している影響なのか、詳細は必要ですが、将来的な成長やテーマ性が高い銘柄と言えます。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:12,086

2017年:13,961

2018年:17,033

2019年:19,501

2020年:21,908

2021年:22,168

さくらインターネットの売上高は順調に伸びていますが、直近は売上高の成長率が低迷しています。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:976

2017年:1,018

2018年:745

2019年:567

2020年:939

2021年:1,372

営業利益はあまり安定していません。2021年には13億円と過去最高の水準となっています。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:553

2017年:548

2018年:349

2019年:91

2020年:160

2021年:758

当期利益に関しても2019年以降あまり安定していません、2019年以前は割と安定して推移していたので、直近は何かしら大きな変革期かもしれません。

ROE推移

(単位:%)

2016年:12.5

2017年:7.2

2018年:4.4

2019年:1.2

2020年:2.1

2021年:9.4

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:4,763

2017年:6,751

2018年:5,791

2019年:8,805

2020年:7,488

2021年:5,352

IT系のサービスなので負債が大きくないかと想定していたのですが、意外にも負債が大きいです。2019年までは負債を大きく増やしていましたが、2020年、2021年と減らしてきている傾向が見て取れます。

データセンターなので設備投資など一定の投資が必要ということが想像されます。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:4,077

2017年:4,868

2018年:4,612

2019年:5,505

2020年:4,572

2021年:4,174

負債に対しては現金があまり潤沢という状態とは言いにくいです。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1,547

2017年:1,852

2018年:3,067

2019年:2,231

2020年:4,582

2021年:4,110

2020年、2021年と大きく営業CFを増やしている点は良いポイントと言えます。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-2,550

2017年:-5,410

2018年:-1,382

2019年:-2,576

2020年:-2,973

2021年:-1,359

一定の投資サイクルがあるようで、過去に大きく投資をしてから3年〜近く経ってから、営業CFへのインパクトがあるのではないかと思われます。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:1,940

2017年:4,349

2018年:-1,941

2019年:1,237

2020年:-2,541

2021年:-3,148

直近は負債の返済などでマイナス水準が大きいです。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-1,002

2017年:-3,558

2018年:1,685

2019年:-345

2020年:1,608

2021年:2,751

FCFは安定しているとは言い難いです。過去の水準を見ても、一定の投資が必要なのか、マイナスの年もあります。

さくらインターネット(3778)、ビジネスモデル・事業内容

さくらインターネット株式会社は、データセンターの運用を中心としたサービスを様々な業種の企業へ提供しています。運用から開発・研究・営業にいたるまで自社で実施していることが特長の一つで、北海道・東京・大阪と全国に3つのデータセンター拠点を有しています。事業としてはインターネットデータセンター事業の単一となっております。

では、この事業および今後の展開について見ていきましょう。

インターネットデータセンター事業

事業の中でも、大きく分けて4つのサービスに分けられています。

① ハウジングサービス

ハウジングとは、顧客の所有するサーバーの設置場所や通信回線などを提供するサービスのことです。メリットとして専用の企業が運営しているため下記の点が挙げられます。

・自社でサーバー保管する際の耐震等リスク対策や保守・管理の代行が可能

・自社が東京都内など、保管に関わるコストが高い地域の場合は費用削減の可能性がある

② 専用サーバサービス

1台まるごと専用のサーバーを提供しています。

またディープラーニング・人工知能研究への関心が高まっている昨今、大きな計算資源に対して演算能力に特化したさくらの専用サーバ 高火力シリーズとして高性能かつ高いコストパフォーマンスで利用可能なサービスなども提供しております。

③ レンタルサーバサービス

サーバーの占有・共有レンタルサービスの他、独自ドメインによるメールアドレスが使用可能になるシンプルなサービスなども提供しています。

④ VPS・クラウドサービス

仮想化技術を利用したサービスにも対応しております。

VPSとは

バーチャル・プライベート・サーバーの略語で、1つの物理サーバーでリソース(CPU・メモリ・ディスク)を共有しながらも複数の仮想サーバーを構築することです。通常のサーバーと異なり、リソースの範囲内でユーザーごとにOSの利用やアプリケーションの追加などを選択可能になることがメリットとしてあります。

今後の展開

物理基盤サービスからクラウドサービス利用への切り替えが急速に進む中で、事業としてクラウドビジネスへの方向転換に注力中です。

これにより経営資源の配分も見直しを図っており、現状のハウジング、専用サーバサービスを継続しつつ、設備や業務に携わっている人員をクラウドサービスへの取り組みに活用するなどの対応をしています。

分析コメント

顧客は初心者や小規模事業者が多く、サーバーの物理的な構築からクラウドサービスへの移行や、あらゆるサービスのIT化が進むにつれてクラウドサービスのニーズは堅調にニーズとしてあり続けるといえます。

一方で他社のデータセンター事業者と比べて何が強いのか、正直あまり明確でないことが気になる点です。

敢えて言うならば国内運用での長年の実績が信頼につながっているという点かもしれません。

エンタープライズなどの領域では、圧倒的にアマゾン社が提供するAWS、小規模事業者向けであってもエックスサーバーなど、競合はいることが、想像できます。

価格的優位性以外にもエンタープライズ向けの領域では、サービスの安定性など、技術者からの指示が必要となってくるので、今後データセンターマーケットでどのようなポジショニングを取ってくるのか気になるところです。

テンバガー可能性

「C」

※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。

テーマ性は高いので、領域としては面白いとは思うのですが、時価総額が既に高いこと、競合が強い領域であることや継続的に投資が必要な領域であることが若干懸念ではあります。

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

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方法②:SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

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関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

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