セック(3741)、株価、業績分析、強みと成長可能性

セック(3741)、株価、業績分析、強みと成長可能性

セック(3741)の業績、売上高等を分析、考察しています。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/10/21)

時価総額:145億円

PER(予):15.9倍

PBR:1.8倍

直近の株価は、2018年後半をピークに2年以上下落基調が続いています。テーマ性の強い銘柄なので、一時期人気となると、長期的に下がり続ける傾向があるチャートの例でしょう。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:4,615

2017年:4,424

2018年:5,175

2019年:5,981

2020年:6,343

2021年:6,525

株価は下落基調ですが、売上高は順調に伸びています。伸び率こそ、以前に比べて一桁台と落ち着いてはいますが、それでも大きく成長が止まっているかというとそうではない水準ではないかと思います。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:641

2017年:433

2018年:620

2019年:823

2020年:930

2021年:1,011

売上の成長に比べて営業利益の方は大きく伸びています。収益性の高い事業に移ったのか、コストの削減に成功したのか、どちらか気になるところ。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:446

2017年:314

2018年:468

2019年:613

2020年:687

2021年:727

当期利益も7億円と、時価総額が120億円近くの企業ではかなり良い水準だと思います。

ROE推移

(単位:%)

2016年:9.0

2017年:6.1

2018年:8.6

2019年:10.5

2020年:11.0

2021年:11.0

ROEも10%台と悪くはない水準です。IT系の企業だったらもう少し高くてもおかしくはないのですが。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2016年:36

2017年:36

2018年:36

2019年:36

2020年:36

2021年:36

負債は特にないといって良いでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:2,574

2017年:2,649

2018年:2,668

2019年:2,698

2020年:3,369

2021年:2,853

現金は潤沢にあります。キャッシュリッチ企業です。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:673

2017年:220

2018年:230

2019年:397

2020年:843

2021年:-52

営業キャッシュフローは少しクセがあります。2020年に大きくキャッシュインがあった反動からか2021年には営業キャッシュフローがマイナスとなっています。平均的には4億円/年という水準でしょうか。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:171

2017年:-12

2018年:-26

2019年:-132

2020年:73

2021年:-40

投資は特に大きくしていません。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-133

2017年:-133

2018年:-184

2019年:-235

2020年:-244

2021年:-423

財務キャッシュフローは、毎年の配当だと思います。配当率が2.8%と高いので、配当する以前に成長に投資すれば良いのではとは思いますが。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:844

2017年:208

2018年:203

2019年:265

2020年:916

2021年:-92

FCFが利益の割にあまり高くないという印象があります。毎年の配当が結構大きいのでその影響なのかもしれません。

事業内容

株式会社セックは、社会公共分野や先端分野で、リアルタイムソフトウェアやソリューションを提供している企業です。リアルタイム技術とは、刻一刻と変化する外界との、密接な相互作用を持つコンピュータシステムを開発する技術です。

展開している事業として、モバイルネットワークビジネスフィールド、インターネットビジネスフィールド、社会基盤システムビジネスフィールド、宇宙先端システムビジネスフィールドの4つが挙げられます。それでは4つの事業を順番に見ていきましょう。

モバイルネットワーク

スマートフォンやタブレット、モバイル決済端末など、様々なモバイル機器の組込みソフトウェアや、これらを活用したモバイルサービスのアプリケーション開発を手がけています。具体的には、モバイル機器に搭載する電子マネーやカメラなどの機能、料理メニューの翻訳アプリ、外国語会話アプリ、車載用ソフトウェアなどの開発が挙げられます。

インターネット

IoTに関する技術、AR・VR・MR技術、XML技術、クラウドシステムなどの技術アプリケーションの開発をしています。具体的には、非接触ICを搭載したソフトウェア、屋内の位置測位システム、IoTデバイスの利用システム、災害時に統合情報を提供するシステム、企業向けWebシステム・クラウドシステムなどの開発が挙げられます。

社会基盤システム

高度交通システム、防衛関連システム、位置情報を管理するシステム、医療関連システム、環境エネルギー関連システム、官公庁向けのシステムなど、社会インフラ分野で技術アプリケーションの開発をしています。具体的には、ロードサービス向けのGPS緊急通報システム、自治体での緊急医療サポートシステム、洪水の予報や警報を作成するシステム、太陽光発電システム、電力や炭素排出量をモニタリングするシステムなどが挙げられます。

宇宙先端システム

宇宙天文分野では、科学衛星や惑星探査機に搭載されるシステム、観測データの解析システム、研究機関向けのアプリケーションなどのソフトウェアを提供しています。ロボット領域でも、ロボットシステムの開発やコンサルティングサービスを提供しています。具体的には、国際宇宙ステーション関連システム、宇宙天気関連システム、天体望遠鏡制御システム、ロボットの標準化と開発を推進する技術、屋内で自律移動できるロボットソフトウェアなどが挙げられます。

考察

事業領域としては、リアルタイム技術など今後5G、6Gなど通信技術が発展するとともに、自動運転などよりリアルタイムでの技術が求められる領域ですので、トレンドにはマッチしていると考えられるでしょう。

また、宇宙先端技術にも関わっているので、この点もどこかのタイミングで注目されれば再度人気化する可能性は秘めているでしょう。

この企業の特徴としては、トレンドにマッチしている銘柄でありながら、株価が直近低迷しており、放置されている状態であること。また、配当が大きく、安定しているというところでしょう。

配当よりも、成長投資をしてもっと売上、利益を伸ばせれば、伸びる領域ではあると思われます。技術的には面白い領域だと思うので、今後も注目に値する銘柄の一つと言えるでしょう。

テンバガー可能性

「B」

※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。
純粋に売上や利益の成長率だけで判断をすると、成長スピードは弱く物足りなさを感じるのですが、事業展開の領域としてのテーマが社会変化とともにニーズが高まる可能性があるので、ポテンシャルは秘めていると考えられます。配当が高いので、配当を低くしてでも成長に向けた投資をもっと積極的にできれば、良いのではという感想です。

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

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関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

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