情報企画(3712)、株価、業績分析、強みと成長可能性
- 2021.10.21
- 株式投資
情報企画(3712)の業績、売上高等を分析、考察しています。
まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。
株価関連情報
(調査日時:2021/10/21)
時価総額:116億円
PER(予):11.9倍
PBR:1.9倍
時価総額は100億円台で、PER予想も12倍弱と平均的な水準と言えるでしょう。ITセクターでは、割と低い株価ではないでしょうか。時期的な問題もあるのですが、SI系のサービスは割安で放置されている銘柄も結構あります。
株価チャート(10年)
株価チャート(5年)
株価チャート(1年)
売上高推移
(単位:百万円)
2016年:2,514
2017年:2,414
2018年:2,645
2019年:2,848
2020年:3,035
成長率こそ一桁台ではあるものの、安定して成長していることは理解できます。さらに過去を遡ってみてみると、2012年に15億円程度の売上で、そこから増収を続けています。2017年の一時的な売り上げ減を除いて。
営業利益推移
(単位:百万円)
2016年:787
2017年:836
2018年:910
2019年:1,020
2020年:1,116
営業利益も綺麗に伸びています。売上に比例して利益も伸びるモデルであることが理解できます。
当期利益推移
(単位:百万円)
2016年:532
2017年:651
2018年:637
2019年:707
2020年:773
当期利益も営業利益と同様です。
ROE推移
(単位:%)
2016年:20.5
2017年:21.1
2018年:18.1
2019年:17.7
2020年:17.2
ROEが非常に高いことは魅力的です。10%後半をキープし続けています。直近は、ROEが減少傾向にあるので、利益率?に問題があるのかもしれません。
有利子負債推移
(単位:百万円)
2016年:-
2017年:-
2018年:-
2019年:-
2020年:-
現金等推移
(単位:百万円)
2016年:1,393
2017年:1,804
2018年:1,942
2019年:2,152
2020年:2,019
有利子負債ゼロで、毎年利益を計上していいるので、キャッシュは20億円と、潤沢にあります。
キャッシュフロー推移
営業活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:535
2017年:588
2018年:706
2019年:797
2020年:863
営業CFも問題なさそうです。
投資活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-14
2017年:-10
2018年:-367
2019年:-352
2020年:-727
2018年以降、これまでと変わって、投資を積極的に行っている模様です。ROEや利益率の低減はここにあるかもしれません。企業として将来の変化に向けた取り組みをしているかもしれません。
財務活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-150
2017年:-167
2018年:-200
2019年:-234
2020年:-268
フリーキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:521
2017年:578
2018年:338
2019年:444
2020年:135
直近は、投資の増加に伴いFCFは減少傾向ですが、過去を見ても、FCFを増加させようと思えば出せる事業モデルだと思います。
事業内容
株式会社情報企画は、会計・税務・金融の専門的なノウハウを活用し、主に金融機関向けに、信用リスクや融資を管理するシステムなどを提供している企業です。
全国の約600の金融機関のうち、政府系金融機関、都市・地方銀行、信用金庫や信用組合などの300以上の顧客と取引があり、圧倒的なシェアを背景とした安定した収益構造、豊富なノウハウ・データが強みとなっています。近年では、こうしたビッグデータとAI技術を組み合わせた新製品の開発も行っています。
展開している事業として、システム事業、不動産賃貸事業の2つが挙げられます。それでは2つの事業を順番に見ていきましょう。
システム事業
金融機関向け製品
金融機関向けに、当初は信用リスクの管理業務をするシステムに注力していましたが、 近年は営業や窓口のサポート、総務・経理などのバックオフィス業務をサポートするシステムを開発し、商品ラインナップを拡充しています。
信用リスクを管理する製品として、法人や個人事業主の決算書をOCR技術を用いて自動的に登録・分析するシステムや、担保・不動産を管理するシステム、信用格付けシステム、信用リスクや住宅ローンなどのリスクを定量的に評価するシステムなどを提供しています。
また、融資活動をサポートする製品として、渉外活動をサポートする地図システム、事業性評価や稟議書類・契約書作成などをサポートするシステムなども提供しています。
さらには、総務・経理などのバックオフィス領域では、決算業務をサポートするシステム、反社会的勢力をチェックするシステム、出資金や有価証券などを管理するシステムなどもあります。
このような製品は30種類以上あり、企画からシステム提供、システムデータの入力代行、アフターサービスまで幅広いトータルソリューションを提供しているのが特徴です。
事業法人向け製品
金融機関向けの製品から派生した領域で、主に税務や会計管理システムを提供しています。具体的には、IFRSにも対応したリアルタイム連結システムや、償却資産やリース、減損損失などに対応した固定資産管理システムがあります。
不動産賃貸事業
賃貸マンション3棟、賃貸オフィス1棟、賃貸店舗2件、立体駐車場1棟の計7物件を保有・管理しています。
考察
金融機関向けに特化したシステム開発を長年行っている点で、他社にはない差別化ができていること、それによって高い利益率やROEが達成できていると考えられます。
当社HPを見てもらえれば分かるのですが、少し古いHPとなっているので、もう少しIRにも力を入れれば、魅力が理解できると思います。
専門的な領域かつ、ITの知識がないとなかなか理解できないビジネスということもあって、人気銘柄とはならないかもしれませんが、これまで通り安定して増収増益が続けば、注目される可能性は秘めています。
金融機関も、生き残りをかけたDX推進によるコスト削減など、需要は今後も一定あり続ける領域ではあると言えるでしょう。
テンバガー可能性
「C」
※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。
成長性の低さから物足りなさを感じる点と、金融機関向けのDX推進が今後どの程度需要があるのかという点が未知数なので、判断が難しいでしょう。
大手銀行を除き、地方銀行などは一部淘汰されていく可能性もあり、変革が求められている領域ではあるものの、成長産業かと言われると少し疑問が残ります。
※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。
効率的に株式投資を学ぶ方法
個別の銘柄を細かく全てチェックする時間がない方には、いくつか効率的に勉強する方法があります。
方法①:著名な投資家の本を読むことで投資の本質を学ぶ
王道ですが、株式投資の本質を理解しておくことで、闇雲に銘柄をチェックする手間が省けます。
初心者の方は、早い段階で本質的な考え方や思考方法をウォーレンバフェットをはじめとした著名投資家の本を読み、インプットしておくことが長期で役に立つものだと信じています。
参考記事:【投資本・決定版】株式投資の本質を勉強するため、おすすめ10冊
方法②:無料のセミナーに参加して、学習すべきポイントだけをつかむ
無料提供という範囲の中で、とりあえず学習するべきポイントだけを抑えてしまうという方法です。
投資やお金に関する基礎を身につけることは、年齢の若い早いタイミングで身につけておくべき長期で役立つ教養となります。
関連サイト:
・株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー
【公式】https://www.f-academy.jp/
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方法③:SBI証券アプリのスクリーニングでとにかく絞り込む
さまざまな指標を組み合わせてスクリーニングすることで、効率的に個別の銘柄に巡り会うという方法です。
3,600以上ある銘柄も上手なスクリーニングの方法で、素晴らしい銘柄と巡り会うことができます。