イーブックイニシアティブジャパン(3658)、株価、業績分析、強みと成長可能性
- 2021.05.08
- 株式投資
イーブックイニシアティブジャパン(3658)の業績、売上高等を分析、考察しています。
まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。
株価関連情報
(調査日時:2021/5/8)
時価総額:148億円
PER(予):16.25倍
PBR:3.3倍
時価総額は150億円以下と高騰感はありません。PERの予想も20ば良いかなので、インターネット事業を展開している企業としては、割安領域に入る分類でしょう。
株価チャート(10年)
株価チャート(5年)
株価チャート(1年)
売上高推移
(単位:百万円)
2016年:7,184
2017年:11,982
2018年:11,882
2019年:14,786
2020年:21,281
2021年:29,951
売上高は急激に伸びています。20年、21年とコロナが追い風になっているのか、40%超えの成長を見せており、順調そのものという感じがします。
営業利益推移
(単位:百万円)
2016年:-166
2017年:17
2018年:254
2019年:583
2020年:793
2021年:957
営業利益も同様に右肩上がりです。
当期利益推移
(単位:百万円)
2016年:-163
2017年:11
2018年:158
2019年:166
2020年:544
2021年:663
当期利益の水準も問題ありません。
ROE推移
(単位:%)
2016年:-
2017年:0.3
2018年:5.0
2019年:4.9
2020年:14.4
2021年:14.9
ROEは、2020年を境に2桁に戻ってきております。それまでは、1桁台だったので、投資が済んで安定した水準の利益をあげられる水準に落ち着いてきたのか、一時的な特需などで利益が上がっているのか、今後もこの水準を維持できるのかがチェックポイントです。
有利子負債推移
(単位:百万円)
2016年:389
2017年:240
2018年:180
2019年:120
2020年:60
2021年:60
財務内容は問題ないです。
現金等推移
(単位:百万円)
2016年:2,038
2017年:2,690
2018年:2,719
2019年:3,580
2020年:4,406
2021年:5,031
潤沢に現金がある体質です。ここ数年は安心できる水準と言えるのではないでしょうか。
キャッシュフロー推移
営業活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-149
2017年:400
2018年:511
2019年:1,814
2020年:1,252
2021年:919
投資活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-687
2017年:-285
2018年:-430
2019年:-929
2020年:-220
2021年:-241
2019年に大型の投資をしている模様ですが、2020、2021年とやはり水準は落ち着いています。
財務活動のキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:479
2017年:541
2018年:-52
2019年:-22
2020年:-205
2021年:-53
フリーキャッシュフロー
(単位:百万円)
2016年:-837
2017年:114
2018年:80
2019年:885
2020年:1,031
2021年:678
フリーキャッシュフローも、2019年以降安定して積み上がっている体制です。
事業内容
株式会社イーブックイニシアティブジャパンは電子書籍事業の販売や配信を行っています。2000年初期から電子化サービスを行なっており、電子書籍の先駆け企業です。また、ヤフー株式会社およびソフトバンク株式会社のグループ企業です。これら2つの企業の利用者データを活用出来ることが強みでもあります。
展開している事業として、電子書籍事業とクロスメディア事業の2つが挙げられます。それでは2つの事業を順番に見ていきましょう。
電子書籍事業
・ebook japan
デジタル書籍を配信するサービスとしては国内最大限のサイトです。無料で読める漫画も2800冊以上と多数あります。
ヤフー株式会社との協力運営という形をとっているため、集客やプロモーションにも強いのが特徴です。
ヤフーグループであるPayPayがそのサービスの一つです。PayPayと連携したキャンペーンの実施を積極的に取り入れています。
また、ヤフーと協力したオンライン広告宣伝を行えることから、新規ユーザー獲得のための宣伝を効率よく行っています。
システム面では「感情タグ」と呼ばれるAIシステムを実装しました。これは「泣ける」「笑える」といった人の感情でタグ分類されたものです。これにより作品の感想が一言でわかるため、全く知らない作品に興味を持つ機会を増やすことができます。
クロスメディア事業
・bookfan
紙媒体の書籍をオンライン販売するサービスです。一冊からの購入で全国どこでも送料無料で利用可能です。こちらもPayPayとの連携によるキャンペーンを実施しています。取り扱い在庫の拡大やセット販売にも力を入れており、他社オンライン販売サービスサイトとの差別化を行なっています。
またYahoo!ショッピングやPayPayモールといった大手サイトに出店しています。2019年度本、雑誌、コミック部門でベストストア三冠を受賞。(Yahoo!ショッピング、ポンパレモール、Wowma!)
独自コンテンツ
電子書籍の販売だけでなく、独自の電子コンテンツの配信も行なっています。その代表例として、「ベルリンうわの空」というオリジナル作品が宝島社「このマンガがすごい!2021年オトコ編」に入賞しています。
考察
電子書籍市場に関しては、成長は見込まれるものの、市場への参入障壁が低いという観点から、マーケットの評価は低くなりがちな傾向があるかもしれません。他にもパピレスなどを調査しているのですが、こちらも順調に成長をしており、競合他社が多くいる中で、パイの奪い合いという状況なのでしょう。
参考:パピレス(3641)、株価、業績分析、強みと成長可能性
どのように差別化を図っていくのかというポイントでは、サイト自体のUI/UXもそうですが、マーケティングによる認知の獲得、ユーザー確保は大きいでしょう。この点は、PayPayやYahooがバックにいるのは、アドバンテージになりそうです。
客観的な数字を見ると成長性に比べて、今の水準は割安なのではと感じる銘柄の一つです。
※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。
効率的に株式投資を学ぶ方法
個別の銘柄を細かく全てチェックする時間がない方には、いくつか効率的に勉強する方法があります。
方法①:著名な投資家の本を読むことで投資の本質を学ぶ
王道ですが、株式投資の本質を理解しておくことで、闇雲に銘柄をチェックする手間が省けます。
初心者の方は、早い段階で本質的な考え方や思考方法をウォーレンバフェットをはじめとした著名投資家の本を読み、インプットしておくことが長期で役に立つものだと信じています。
参考記事:【投資本・決定版】株式投資の本質を勉強するため、おすすめ10冊
方法②:無料のセミナーに参加して、学習すべきポイントだけをつかむ
無料提供という範囲の中で、とりあえず学習するべきポイントだけを抑えてしまうという方法です。
投資やお金に関する基礎を身につけることは、年齢の若い早いタイミングで身につけておくべき長期で役立つ教養となります。
関連サイト:
・株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー
【公式】https://www.f-academy.jp/
・投資の達人になる投資講座
【公式】https://toushi-up.com/
・女性のためのマネーセミナー【スクロール】
【公式】https://www.scroll-moneyseminar.com/
・【女性限定】マンツーマンでお金のトレーニング「ABCash」
【公式】https://www.abcash.co.jp/
方法③:SBI証券アプリのスクリーニングでとにかく絞り込む
さまざまな指標を組み合わせてスクリーニングすることで、効率的に個別の銘柄に巡り会うという方法です。
3,600以上ある銘柄も上手なスクリーニングの方法で、素晴らしい銘柄と巡り会うことができます。