日本サード・パーティ(2488)、事業内容、業績・強み分析、成長可能性

日本サード・パーティ(2488)、事業内容、業績・強み分析、成長可能性

情報通信に属しており、時価総額が46億円と小型、かつ有利子負債が0(2020年時点)ということで関心があるためピックアップしました。

まずは、客観的に事業内容を精査する前に実績値としての数字を見ていきたいと思います。

株価関連情報

(調査日時:2021/1/4)

時価総額:46億円

PER(予):14.0倍

PBR:1.8倍

株価チャート(10年)

2013年代に大きく株価が急騰したことがるのですが、それ以降は大きく下落傾向が続いています。

株価チャート(5年)

直近も下落傾向が続いています。600円が抵抗線となるかどうかという感じでしょうか。

株価チャート(1年)

ここ最近はずっと下落が続いているような形です。

売上高推移

(単位:百万円)

2016年:4,743

2017年:4,634

2018年:4,748

2019年:5,472

2020年:6,245

売上高は、 2019年を境に上昇傾向にあります。前年同月比でも、10%以上と推移しており、成長途上にあることが見て取れます。なぜこれまで横ばいだったところから、売上高が上昇傾向に転じているのか、この点も気になるポイントです。

営業利益推移

(単位:百万円)

2016年:237

2017年:195

2018年:251

2019年:238

2020年:470

売上高に合わせて、2020年には、大きく営業利益が成長しています。営業利益率に関しても、2016年には、5%台、2020年には、7.5%と利益率も改善傾向にあることが見て取れます。売上高の構成比率を確認すると、売上原価率の改善や、販管費率が2020年に大きく改善していることが要因と考えられます。

当期利益推移

(単位:百万円)

2016年:81

2017年:3

2018年:184

2019年:154

2020年:392

当期利益に関しても、営業利益と同様、2020年には大きく成長しています。2016年、17年と低迷していましたが、2018年以降に利益が出るような体質に変化してきている可能性があります。

ROE推移

(単位:%)

2016年:4.6%

2017年:0.2%

2018年:10.4%

2019年:8.4%

2020年:15.2%

ROEも2018年以降は、8%〜10%台となっており、情報通信サービスの分野では、平均的と言える水準まで改善がされてきている模様です。

有利子負債推移

(単位:百万円)

2020年:0

2020年時点での有利子負債残高はないので、このポイントは良いポイントと言えるでしょう。

現金等推移

(単位:百万円)

2016年:1,341

2017年:1,289

2018年:1,340

2019年:1,401

2020年:1,476

現金は、大きく増えている訳ではないですが、常に13億円〜14億円前後を推移しているため、有利子負債残高もなく、潤沢なキャッシュを保有していると言えるでしょう。

キャッシュフロー推移

営業活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:260

2017年:132

2018年:115

2019年:299

2020年:259

営業キャッシュフローは過去5年間をみると、常にポジティブで推移しています。2016年、2017年で当期利益は低い水準でしたが、キャッシュフローベースでは、1億円以上のキャッシュフローポジティブとなっています。

投資活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-46

2017年:-47

2018年:-46

2019年:-100

2020年:-80

投資活動も、多くでも2019年の1億円程度なので、投資が必要とされる事業モデルではないのかもしれません。

財務活動のキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:-80

2017年:-140

2018年:-53

2019年:-103

2020年:-103

財務キャッシュフローも大きく変動はなく、一定で推移しています。

フリーキャッシュフロー

(単位:百万円)

2016年:214

2017年:85

2018年:69

2019年:199

2020年:178

フリーキャッシュフローをみると、過去5年間では常にポジティブであり、良い状態と言えるのではないでしょうか。

事業内容

日本サードパーティについては、創業の歴史について書かれているページがあります。

ポイントとしては、

  • 海外のハイテク企業が日本で事業展開する際の支援を行なってきたこと
  • 具体的には、技術的なサポートやトレーニングなどが該当する
  • サードパーティという名前は第三者ということで、メーカーでもない、ユーザーでもない、第三者という立場を表す

日本企業と海外企業のビジネス展開の違いについても触れています。日本企業に比べて、海外企業の場合、様々なプロセスをアウトソーシングすると。

今でこそ日本でも一般的になってきていますが、海外企業の場合、早い段階から技術的なサポート体制の構築も、アウトソーシングをするということでしょう。

言葉も文化も異なる地域で、かつハイテク領域での専門性を兼ね備えた人材や体制を整えることは、想像するだけで大変だということは分かるでしょう。

事業沿革から分かること

87年創業、92年にトレーニングセンタを設立、94年にはライフサイエンス領域に進出、2006年に上場、2015年以降、ロボティックス領域に参入、AI事業に参入、インドに支店を開設。

上場自体は2006年と早く、2015年ごろから新たな領域に積極的に動いていることが分かります。

ハイテク企業とは、IT分野だけではなく、ライフサイエンス領域(放射線事業など)も、参入していること。

サービス内容

サービス内容としては、以下の7つに大別されています。ICTソリューション、Kyrios、ライフサイエンス、ロボティックス、AI、デジタルマーケティング、人材育成。

ICTソリューション、ライフサイエンス、人材育成の3つは創業の時からの本業といったところでしょう。そのほかは、新規事業として始まったものだと推察されます。

Kyriosとは

クラウド活用を最適に支援するというトータルクラウド支援サービスと書かれています。具体的なクラウドサービスを自社で保有している訳ではなく、お客様の課題を解決するシステム開発の支援にイメージは、近いと思います。

クラウドサービスを利用する場合は他社のパブリックなクラウドサービスを、利用するものです。

日本サードパーティの強みとしては、海外のメーカーとの付き合いがあるため、導入に際しての技術的な専門性や導入後の運用保守体制があるといったところでしょうか。

今後と考察

直近の決算説明資料を見ると、ポイントとしては、

  • 第二の創業期として、社名変更を進めていること
  • 売上高構成は、ICTソリューションが半分以上
  • コロナウィルスの影響で、前年比では低成長

当社は、2015年以降、新規領域への参入など、機動的に変革を図っている最中であることが分かります。

2021年以降も、コロナウィルスをきっかけに、企業のDXが急速に進んだことを機会と捉えて、成長戦略を掲げている点はポジティブでしょう。

一方で、成長に向けた具体的なコアビジネスは何かというテーマは明確に定まっていないフェーズなので、これからの動向に注視する必要があります。

過去から続けている海外のハイテク企業との契約実績などを踏まえても高い技術力と、海外企業とのネットワークを持っていることは強みとなるでしょう。

テンバガー可能性

「C」

※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。

方法①:無料の勉強会・セミナーに参加して体系的に基本を学ぶ

独学で学ぶ際に、無料セミナーに参加することは手軽でおすすめです。

セミナーでは、必要なポイントに絞って学ぶことができ、かつ、一般的な投資参加者の視点を得ることができます。


【無料開催中の勉強会・セミナーの一覧】

株式投資の学校


受講生の7割以上がプラスの運用成績を出している、ファイナンシャルアカデミーの人気スクールです。
体験セミナーでは、①お宝銘柄が見つかる3つの基本、②売買タイミングを判断する重要視点、③安定的に利益を出すためのリスク管理法、の3つの視点を学ぶことができます。
8割が損をすると言われる株式投資で、運用実績がマイナスのスクール受講生は、わずか9.4%とHP上では明言しているので、コンテンツにはかなり自信があるのでしょう。

>>【公式】https://www.f-academy.jp/

お金の学習・相談サービス『マネイロ』


資産運用やお金の増やし方をプロから動画視聴形式で学べるサービスです。カメラオフ+発言なしで気軽に参加できます。
つみたてNISA、iDeCo、投資信託などの資産運用について、初心者の方にもわかりやすいコンテンツです。
オンラインセミナーは1回30分、スマホでの視聴もOKなので、自宅やカフェからも気軽に参加できるのは嬉しいポイントです。

>>【公式】https://moneiro.jp/

投資の達人になる投資講座


投資初心者から経験者まで累計25万人以上が受講したオンライン投資セミナーです。
特徴としては、①講師が営業マンではなく投資の実践者なので、投資のリアルな話が聞ける点、②世界三大投資家ウォーレン・バフェット氏の元義娘、株式投資分析の世界的権威ジェレミー・シーゲル教授など著名な方々から直接情報を得ている点、③他で聞けない投資のノウハウが得られる点、です。
2021年には、最も信頼されるオンライン投資セミナーにも選ばれています。

>>【公式】https://toushi-up.com/

方法②:SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用して銘柄を見る習慣をつけることも効果的です。


SBI証券[旧イー・トレード証券]

スクリーニング機能を使うと、さまざまな指標を組み合わせて効率的に銘柄を見つけることができます。

SBI証券では3,600以上の銘柄が取り扱われていますが、スクリーニングを上手に活用することで、素晴らしい銘柄に出会うことができます。

関連記事:SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③:著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事:株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

著名な投資家の本を読むことは、投資における知識と洞察を深めるために重要です。これらの本は、成功した投資家の経験と教訓に基づいて書かれており、貴重な情報を提供してくれます。
投資家の視点や戦略を学ぶことで、市場の動向やリスクの評価についての理解が深まります。
また、投資家の成功や失敗のエピソードを通じて、心構えやリスク管理の重要性も学ぶことができます。これらの本は投資初心者から上級者まで役立つ情報を提供し、自身の投資戦略を構築する上で不可欠な道しるべとなります。