ケアネット（2150）、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性

本ブログ記事では、ケアネット（2150）のビジネスモデルや業績など数値データを分析、事業内容に基づく強みと今後の成長可能性について考察しています。サービスをテーマとした銘柄です。

ケアネット（2150）、株価関連情報

（調査日時：2023/5/29）

時価総額：378億円

PER（予）：18倍

PBR：3.54倍

医師・医療従事者に教育コンテンツを無料で提供するwebサイト「CareNet.com」を運営している事業を展開しています。

競合は、エムスリーですが、時価総額は2兆円規模で、PERは40倍とかなり高い評価を得ています。単純比較は難しいですが、PER18倍という水準も評価としては割高と単純に決めつけることは難しいでしょう。

売上高推移

2018：29億235万
2019：32億6844万
2020：53億437万
2021：80億401万
2022：93億2787万

2020年以降急激に売り上げを伸ばしています。2020年以降の企業の沿革を確認すると、事業譲受や買収を増やしていることが分かります。

営業利益推移

2018：4億6931万
2019：6億580万
2020：15億1007万
2021：25億3240万
2022：28億5151万

営業利益に関しても2020年を境に一段と高くなっています。営業利益率の水準では、30%台を推移しており、高収益体制の企業といえます。

当期利益推移

2018：2億6346万
2019：4億4800万
2020：8億1559万
2021：16億911万
2022：18億4753万

ROE推移

2018：11.73%
2019：20.83%
2020：26.53%
2021：19.81%
2022：18.5%

ROEも20%台近くを推移しており、高い水準をキープしています。

有利子負債推移

2018：-
2019：0
2020：1000万
2021：1000万
2022：1億3048万

有利子負債はほとんど気にしなくても良い水準です。

現金等推移

2018：15億236万
2019：13億3308万
2020：23億640万
2021：72億1027万
2022：76億6591万

現金は潤沢にあります。

フリーキャッシュフロー推移

2018：81万
2019：1億3926万
2020：10億2574万
2021：14億5362万
2022：7億1236万

2019年までは大した規模ではなかったのですが、2020年以降二桁台でキャッシュフローが積み上がっています。キーになるのは2020年以降の変革にありそうです。

事業内容

メディカルプラットフォーム事業、医薬DX事業、ヘルスデータサイエンス事業の３つを事業として展開しています。

メディカルプラットフォーム事業

事業のポイントは下記の通りです。
・21万人を超える医師が登録しているサービス
・医師・医療従事者向けの「医療コンテンツサービス」、と医師向けの「キャリアサービス」の二つを提供している。
・CareNet.com：医師・医療者の方々に対し、日常臨床に役立つ記事や動画を無料で提供する会員制の医学・医療情報サイト
・CareNeTV：動画コンテンツを提供。（臨床、専門医試験対策、プレゼン、英語、統計、等）
・PubMedCLOUD：世界最大級の医学・生命科学文献データベース「MEDLINE」の検索エンジンである「PubMed」を便利に使えるツール
・Doctors’Picks：ケアネット医師会員が医学ニュースをシェアし、コメントを付けられる医師限定サイト。（医師向けSNS）
・CareNet Career：医師向けの転職、求職サービス

医薬DX事業

・製薬企業の向けに各種デジタルソリューションを提供しているサービス
・サイエンスコミュニケーションの企画・実行：”製品情報概要等の資材の作成から、デジタルコンテンツの企画・制作、スタジオ動画配信”とHPに記載あり、製品情報を医者向けに分かりやすくコンテンツとして届けるための制作をメインとして行なっていると考えられます。
・KOL＆専門医コミュニティマネジメント：”各診療分野のKOLや専門医がディスカッションできるオンラインコミュニティを運営”と記載あり、アプローチしにくい医者へのアプローチを支援していると考えられます。
・医師と製薬企業をつなぐITソリューション　MRPlus®：動画コンテンツを通して、製品情報を医者にオンデマンド配信で届けることができるサービス。視聴した医師の反応を製薬企業にフィードバックできることが特徴的
・KOLによるレクチャーを全国にライブ配信するWeb講演会：製薬企業が主催する各診療科のオピニオンリーダーの先生方による講演を、ケアネットの医師会員にライブ配信するサービス
・がん専門医向けに特化した情報発信プラットフォーム：手術映像を中心に医療情報を提供するサービス

ヘルスデータサイエンス事業

・Doctors Me：健康相談を希望する個人と専門医をつなぐプラットフォーム

ビジネスモデル、今後の考察

・製薬会社の営業活動を支援するビジネスモデルです。エムスリーと基本的には同様のビジネスモデルで、MRと呼ばれる製薬企業の営業担当の活動を支援するサービスを提供しています。
・売上高のほぼ大半は医療DX事業から生み出されており、上記医療DXサービスが製薬会社のニーズを捉えていると考えられます。
・医師会員との関係性が非常に重要となってくるので、いかに質の高いコンテンツを医師に提供し続けて会員数を増やし、かつエンゲージメント高い状態を維持できるかが基本的に重要なポイントとなっています。
・製薬会社向けには、ターゲットとしたい医師にアプローチができること、有効な手段で情報提供がしっかりできること、その後医師が自社の製品を使用してくれることが求められています。
・製薬企業の事業環境に大きく左右されるビジネスモデルであるのですが、巨大なマーケットであることには変わらず、かつエムスリーと大きく差が空いている状況なのでまだまだ開拓余地はあると考えられます。

テンバガー可能性

「B」

※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。

※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項は個人の調査に基づくものであり、100％正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。

最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる３つの簡単な方法をご紹介いたします。

方法①：無料の勉強会・セミナーに参加して体系的に基本を学ぶ

独学で学ぶ際に、無料セミナーに参加することは手軽でおすすめです。

セミナーでは、必要なポイントに絞って学ぶことができ、かつ、一般的な投資参加者の視点を得ることができます。

方法②：SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用する

SBI証券アプリのスクリーニング機能を活用して銘柄を見る習慣をつけることも効果的です。

スクリーニング機能を使うと、さまざまな指標を組み合わせて効率的に銘柄を見つけることができます。

SBI証券では3,600以上の銘柄が取り扱われていますが、スクリーニングを上手に活用することで、素晴らしい銘柄に出会うことができます。

関連記事：SBI証券のスクリーニング指標一覧、機能の使い方

関連記事：小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】

方法③：著名な投資家の本を読む

以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。

関連記事：株式投資の本質を勉強するためのおすすめ書籍10冊

著名な投資家の本を読むことは、投資における知識と洞察を深めるために重要です。これらの本は、成功した投資家の経験と教訓に基づいて書かれており、貴重な情報を提供してくれます。
投資家の視点や戦略を学ぶことで、市場の動向やリスクの評価についての理解が深まります。
また、投資家の成功や失敗のエピソードを通じて、心構えやリスク管理の重要性も学ぶことができます。これらの本は投資初心者から上級者まで役立つ情報を提供し、自身の投資戦略を構築する上で不可欠な道しるべとなります。