LIFULL(2120)、事業内容、ビジネスモデル、強みと成長可能性
- 2023.06.04
- 株式投資
本ブログ記事では、LIFULL(2120)のビジネスモデルや業績など数値データを分析、事業内容に基づく強みと今後の成長可能性について考察しています。サービスをテーマとした銘柄です。
LIFULL(2120)、株価関連情報
(調査日時:2023/5/29)
時価総額:304億円
PER(予):11.62倍
PBR:0.93倍
時価総額は、300億円、PERは11倍、PBRは1倍割れとIT系の業界の中では割安という印象です。不動産賃貸のプラットフォーム事業を行っているのですが、あまり成長期待が高くないのでしょうか。
売上高推移
2018:345億6491万
2019:392億9701万
2020:354億275万
2021:358億5717万
2022:357億3000万
売上高の成長性をみると、直近あまりパッとしません。2019年の390億円をピークに、350億円台を横ばいで推移しています。
営業利益推移
2018:43億1537万
2019:41億8464万
2020:24億8520万
2021:-66億4410万
2022:16億8190万
2021年に大きく営業利益を減らしている背景は、海外事業の減損が影響しています。グローバルプラットフォームを構築を掲げていて、積極的に海外展開しています。
海外のM&Aに関しては、不確実性も高く難易度も高いので、その点投資家からは評価がしにくい点がバリュエーションに表れているのでしょうか。
当期利益推移
2018:28億5967万
2019:24億688万
2020:11億6258万
2021:-59億112万
2022:11億8700万
過去遡ってみても、大きく赤字となっているのでは2021年なので、基本的には赤字になりにくいビジネスモデルだと理解はできます。積極的な挑戦をしている企業だけあって、現在はコストが一段と高くなっているのでしょう。
ROE推移
2018:13.07%
2019:7.39%
2020:3.47%
2021:-
2022:3.83%
有利子負債推移
2018:1838万
2019:2250万
2020:1億243万
2021:1億771万
2022:112億8300万
有利子負債は、直近大きく金額を伸ばしています。
現金等推移
2018:75億7131万
2019:92億3902万
2020:159億6274万
2021:131億4500万
2022:165億2100万
現金は165億近くあり、有利子負債に対しても比率が多く、キャッシュは潤沢にある印象です。
フリーキャッシュフロー推移
2018:31億3781万
2019:-6億7079万
2020:31億5367万
2021:2億1960万
2022:30億8500万
キャッシュフローの推移に関しても、2019年に積極的な投資を実行していたことを背景にフリーキャッシュフローがマイナスとなる時期もありましたが、基本的には営業キャッシュフローはプラスで推移しております。
直近の動きとしては、減損を出したこともあってか投資活動のCFは減少傾向にあります。
事業内容
基本的な事業の主軸としては、不動産情報サービス事業です。
日本最大級の不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」の運営をしています。
誰もが一度は活用したことはあるのではないでしょうか。国内では不動産・住宅検索以外にも下記の事業を展開しています。かなり手広くビジネスを展開していることが分かります。
【国内事業】
LIFULL 地方創生:空き家再生事業を通じて地方創生
LIFULL 引越し:引越しの比較サイト
LIFULL 介護:介護施設検索サイト
LIFULL 人生設計:お金の相談(FP)とマッチングするサービス
LIFULL Investment:融資や地方創生ファンドなど投資事業を展開
LIFULL FaM:ママの就労支援事業
LIFULL トランクルーム:トランクルーム情報サイト
LIFULL HUB:コーワキングスペース事業
LIFULL Fab:ものづくりに特化したスペース
LIFULL Table:ギャラリー&オープンスペース
LIFULL 不動産クラウドファンディング:その名の通り不動産のクラウドファンディング
LIFULL Leadership:リーダー育成プログラム
LivingAnywhere Commons:ワークスペース、コミュニティスペース
Instant House:ドーム型の住宅施工
【海外事業】
Trovit:不動産・住宅、中古車、求人、通販等などあらゆる情報の検索できるアグリゲーションサイトです。
Mitula:こちらもTrovitと同様、不動産・住宅、求人、自動車、ファッション情報領域の世界最大級のアグリゲーションサイトです。
ビジネスモデル、今後の考察
・不動産検索系のサイトとしては、国内においては、SUUMO、アットホーム、Yahoo!不動産、Chintaiなど競合が多い領域です。
・特にSUUMOは大手のリクルートが運営しているサイトで、資本力も圧倒的に違うので、どのように差別化、共存していくのかが気になるところです。
・当社のアプリは使用したことが個人的にもあるのですが、UI/UXではかなり使い勝手も良く、情報精度が高い印象があるので、こういった細かいユーザービリティの良さで地道に差別化を図っていくのではと考えられます。
・単純に認知度に関しては、広告宣伝費を多く使えるSUUMOに軍配が上がる気がしています。
・また、気になる点としてはやはり海外事業の成否でしょう。アグリゲーションサイトに関しては、基本的にはサイト上の広告による売上に頼ることになるので、どこまでトラフィックを稼げるか、広告の出稿を増やせるのかに掛かっていると言えるでしょう。
・基本的なビジネスモデルとしては、ネット上で情報を集約して、ユーザーを集めるというリクルートが得意としたプラットフォーム型のビジネスです。
・海外の場合には、不動産の取引の商習慣も異なるという点、またユーザーの行動や好まれるデザインも異なるという点で、M&Aは正しい選択と思われますが、海外事業を成功できるだけの優秀な人材を確保できるのかという点は気になるところです。
・リクルートがM&AしたIndeedは世界でもトップクラスにまで成長する事業になっていますので、難易度は高いのですが、海外でも成功している事例は出てきているので、全く何も挑戦しない企業よりも、アップサイドは高いでしょう。
テンバガー可能性
「C」
※「S」、「A」、「B」、「C」、「D」の5段階で勝手に評価した場合です。
※本記事に掲載されているコメントは、あくまで個人的見解に基づくものです。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また記載事項は個人の調査に基づくものであり、100%正確であるとは限りませんので。くれぐれも投資は自己責任でお願い致します。
最後に個別株投資の基礎を学ぶことは、将来の資産形成や財務の知識を高めるために非常に重要です。以下では、お金をかけずに効率的に学ぶことができる3つの簡単な方法をご紹介いたします。
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関連記事:小型株・成長株、銘柄一覧まとめ【日本の有望銘柄80社をブログで紹介】
方法③:著名な投資家の本を読む
以下の関連記事で、個人的に読むべき10冊をまとめています。
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